キャリアガイダンスレポート
|甲南大学 キャリアセンター
●働くことの厳しさと喜びを伝えたい
甲南大学では就職活動について、ただ就職先を決めるというだけでなく自分の障がいの特性に向きあい、その上で社会と向きあっていけるよう取り組んでいます。キャリアセンターを中心に、学部教職員や学内組織が連携し、一方的な情報提供にならないよう、学生の自発的な活動を促しながらサポートしています。学生一人ひとりの個性を大切にし、多様性を自然に受け入れる雰囲気が学生の中にあるのも本学の特徴です。学生生活の中では学部間の交流も多く、人とのつながりを大切にする校風から巣立った卒業生は、社会で広く活躍しています。
障がい学生にとって、同じ境遇にいる人が社会でどのように活躍されているかを知ることは大切です。そこでキャリアセンターからもさまざまな企業に出向き、障がいのある人たちが、どのように働いているかを伝えています。これは、社会に出て仕事をする厳しさと、同時にその喜びを伝えたいという想いからです。
●正しい知識を得ることと仲間と出会うことが動機につながる
このような中、本学では「キャリアガイダンス」を2013年より導入しています。目的の一つは、障がい者雇用に関する最新の動向や情報を伝えること、もう一つは個別対応が中心となる就職サポートの中で、同じ想いを共有し、就職活動に明るく向きあう姿勢ができるよう仲間との情報交換の場を作ることです。
参加学生は障がい者雇用のプロから制度やしくみ、実際の現場の様子など、正しい知識を得られます。これが、就職活動に対する動機づけの一つとなります。また、自分の障がい内容の説明について不安を抱える学生もいますが、キャリアガイダンスに参加し学ぶことで、安心を得ているとも感じます。さらに保護者のみなさんからは、「家庭でのサポートについて、良いアドバイスをもらった」という意見もいただきます。
さらにキャリアガイダンスで仲間と出会えることも、とても有効だと考えています。同じ障がいのある学生同士で情報交換し、励まし合うことは大きな成果につながります。内定を獲得した先輩学生、現場で働く卒業生が後輩にアドバイスするなど、学年を越えた交流も生まれています。このように大学・学生・卒業生・企業の中で良いサイクルができていることは、キャリアガイダンスの大きな成果です。今後も人とのつながりを大切に、甲南大学らしい就職支援を行っていきたいと考えています。